公共施設をサステナブルなログで
フィンランド最大のログで建てられた保育園がヴァンター市にオープン
フィンランド南部のヴァンター市のコイヴキュラに2022年9月、ログ建築としてはフィンランド最大の保育園がオープンしました。ヴァンター市が委託した保育園は2450m2の規模で、入札の際にはカーボンフットプリントについても検討され、ホイヴァラケンタヤの設計が、最も低炭素なものとしてコンペで勝ちました。この保育園は、フィンランドの森林認証を受けたホンカのログで建てられています。設計はSAFAの建築家サカリ・ミエットゥネンが担当しました。
国や自治体の気候政策に対する方針が、木造建築の方向性を示しています。環境省の目標では、新築の公共施設に占める木造建築の割合を2023年には3分の1に、2025年には45%にすることを目指しています。
コイヴキュラに建てられたログの保育園は、学校や保育園を可能な限り木造で建設するというヴァンター市の方針を象徴しています。当初はカーボン・マイナスで設計されていましたが、住民のためのシェルターを追加するなど、その後の修正でカーボン・ニュートラルの目標は妥協せざるを得なくなりました。完成した敷地は、それでもかなりの低炭素です。
「コイヴキュラの保育園計画は、気候変動を緩和し、健康でサステナブルな都市環境を実現するための私たちの取り組みを示す良い例です」とヴァンター市の建設部長ユハ・ヴオレンマー。「このため、入札評価の一環として、保育園のカーボンフットプリントを試験的に測定しています。国産ログ材は、私たちの要求を十分に満たしてくれます。」
保育園プロジェクトは、エネルギー効率の高いもので構成されています。節水型水栓、スマートシステム技術、エネルギー効率の高い照明、地熱暖房、太陽光発電により、維持コストも削減しました。頑強なログ建築物や室内空気の質の良さも、保育園のサステナビリティの一部となっています。「子どもたちにもスタッフにも、健康的な空気を届けたい。ログのおかげで、この保育園の室内空気は良好な状態にあります」とヴァンター市の幼児教育担当ディレクター、ミッコ・マケラ。
コイヴキュラ保育園は、低炭素型都市建設のパイオニアです。ヴァンター市のキヴィスト地区では、ホイヴァラケンタヤによる2つ目の保育園プロジェクトがすでに進行中です。この保育園もホンカのログで建てられる予定です。
「私たちは、責任ある建築をフィンランド建築における新しい規範にしたいと考えています。建ててから20年で取り壊される建物が、多くあり過ぎるのです。責任ある行動とは、多彩な設計の専門知識と、さまざまな建材の相互作用の理解だけでなく、建築プロセスに対する全体的な責任を意味します」と、ホイヴァラケンタヤ社のCEO、タルモ・ケンッパイネン氏は述べています。
フィンランド国内では、今後も公共施設でのサステナブルな建築が求められており、ホンカは、責任ある建築として、保育園や学校などをログで建てるプロジェクトをすすめています。
BtoBプロジェクトなど、ホンカの施設についてはこちらのページもご覧ください。