Villa Kokkonenトゥースラ湖畔 秋の風景
日本でフィンランドの建築家でデザイナー、アルヴァ・アアルトの映画「アアルト」が公開中です。フィンランド国内に限らず、欧米にもアアルト建築は数多く残されています。そんなアアルト建築の中から、ホンカ本社のトゥースラに近いコッコネン邸を紹介します。ちなみに、音楽家シベリウスの家「アイノラ」もトゥースラ湖畔にあります。
南フィンランドのトゥースラ湖に位置するヤルヴェンパーは、芸術と音楽の豊かな歴史を持つ町です。そのトゥースラ湖からほど近いコッコネン邸(Villa Kokkonen)は、その地の豊かな文化遺産の一部で、アルヴァ・アールト(Alvar Aalto)の傑作として高く評価されています。
この邸宅は、フィンランドの作曲家、ヨーナス・コッコネン(Joonas Kokkonen)のために1969年に建設されました。美しい湖畔の風景を最大限に生かす扇状のプランとグランドピアノを思わせるファサードが特徴です。
グランドピアノが置かれた天井の高い音楽ホールはコッコネン邸の心臓ともいえる場所。天井からつるされたキャンバスごしの光が柔らかく、心が落ち着く空間です。
リビングルームやダイニングルームは湖に向かって開かれ、アアルトデザインの家具や照明器具が美しく調和しています。パーゴラでつながれた別棟にはサウナがあり、静寂の中でくつろぐことができます。
自然の中にひっそりとたたずみ、季節ごとに表情を変えていくコッコネン邸。
作曲家の死後、建築や家具はオークションにかけられ、ばらばらになる危機に直面しました。しかし、1998年にヤルヴェンパー市がコッコネン邸を購入し、その後家具なども無償で市に寄付されました。コッコネン邸は2023年の秋から改修工事に入り、2024年には美術館として一般に公開される予定です。
text by Asako Hashimoto
フィンランドで、コッコネン邸やシベリウスが住んだ「アイノラ」観光を計画している方は、ぜひホンカ本社の展示場にもお寄りください。
トゥースラ湖畔に建つホンカのクラシック・ログハウスをオンラインイベントでもご紹介しました。アーカイブでも動画をご覧いただけます。
クラシックのログハウスを紹介するショート動画もご覧ください。