サイマー湖畔のモダンなログホーム「ハルティ」
タンヤ、ハッリと子どもたちの家
タンヤとハッリは、コロナ禍の影響で予定より早く老後の夢を実現することを決めました。夫妻は、サイマー湖流域のピヒラヤヴェシの愛すべき島に、ホンカ「ハルティ」を建てました。窓からは絶滅危惧種でもあるフィンランド固有のサイマーワモンアザラシをよく見かけることができるサイマー湖が一望できます。
タンヤとハッリには夢がありました。引退したら、大好きな避暑地に年間を通して住める家を建て、そこで1年の半分を過ごすことです。夫妻の夢は予定より15年早く実現することになりました。
「コロナ禍のため、ほとんどの仕事をリモートでできるようになり、計画を変えました。」とタンヤ。「夢を実現するのに、待つ必要はないと思ったんです。」
サイマー湖流域のピヒラヤヴェシにあるこの島は、タンヤが子供の頃から慣れ親しんできた大好きな場所です。タンヤの両親がこの島を購入したのは、自分たちの家を持つ前のことでした。当時、島へは船でしか行けませんでしたが、今ではカーフェリーも通っています。タンヤは子供の頃の夏のほとんどをこの島で過ごしました。当初、タンヤとハッリ、そして3人の子どもたちは、タンヤの両親が建てたログキャビンで過ごしていました。その後、同じ島にある素朴で飾り気のない小さなキャビンを自分たちのために改装してから15年間は、そこで休暇を過ごしました。夫妻は同じ敷地内に新しいホンカ・ログホームを建てたのです。
岩場に建てられたホンカ「ハルティ」
決断してからは、すべてがあっという間でした。夫妻には2つの明確な希望がありました。
「コテージはログであること、そして自然光が美しく入ることが大切でした。ログは景観や周囲の環境に溶け込むだけでなく、環境にやさしく、何世代にもわたって長持ちする耐久性もあるので、当然の選択でした。」
夫妻はさまざまなメーカーを検討し、ホンカを選びました。
「ホンカのログ建築における長い経験が決め手です。当時の不安定な世界情勢を考えると経営的にも安定している会社は、安心感を与えてくれました。」
夫妻は、大きな窓があり岩の多い敷地にもよく合うホンカ「ハルティ」を気に入りました。
寝室が2部屋とユーティリティ・ルームが1つというハルティのオリジナル・モデルの間取りから、タンヤの図面をもとに寝室が3部屋にアレンジされました。さらに、独立したキッチンをオープンなリビングキッチン・スペースに変更しました。
「5人家族なので、十分な寝室があることが重要でした。そして、主寝室からは素晴らしい湖の景色を眺められるようにしたかったのです。外観は自然に溶け込むようにしたかったので、黒い外壁が灰色の岩を見事に引き立てるようにしました。」
自然をリスペクトした建物
施工は地元の業者が担当しました。家族は首都圏のエスポー市に住んでいますが、工事は行程通りに進むので安心でした。リモートワークと昔からあるコテージのおかげで、タンヤは頻繁に現場に行って工事を見学することもできました。必要に応じて建設現場の掃除を手伝うこともありました。
「ホンカの施工チームが到着したときには、古い湖畔のサウナをあたためて、氷の穴から水を運んだこともあります。」
ログ積みは冬に始まり、翌年の秋に最終検査が行われました。
「私たちには経験がなかったので、完成した姿を想像するのは難しかったですが、思っていた以上に素敵なコテージが完成しました!」
タンヤは初めてログホームを建てる場合には、予算については専門家に協力してもらうのがよいと言います。夫妻は自分たちだけですべてを予想したり計算するのは難しかったようです。
島とその周辺は自然保護地域の一部です。絶滅の危機に瀕しているサイマーワモンアザラシの多くがピヒラヤヴェシに生息しているからです。建築段階においても自然を尊重することは重要で、冬は建設に最適な季節となりました。積もった雪のおかげで、建築中も周囲の自然にはほとんど触れなくてすみました。
「私たちはアザラシの邪魔をできるだけしないことを望んでいました。アザラシの赤ちゃんが生まれる頃には、すでに内装工事が始まっていたので、問題ありませんでした。」
長期滞在できる別荘
一家は島での静けさを楽しんでいますが、サヴォンリンナ市にも近く、買い物や文化にもアクセスできるため、若者世代もこの島での滞在を楽しむことができます。
「島までの短時間に乗るフェリーは、それ自体が冒険です。心も体も余暇の時間『コテージ時間』に切り替わる感じです。フェリーに乗るとすぐに写真を撮ったり、サイマーワモンアザラシがいないか目を光らせたりします。」
一家はコテージでの生活が真新しいものではありませんが、今では年間を通して、大好きな島でさらに多くの時間を過ごしています。
「私たちの願いは、いつかこの家が第二の家になることで、すでにそうなりつつあります。コテージは平屋で、可能な限りバリアフリーに設計されており、老後も快適に暮らせるようになっています。」
夫妻はモダンなアメニティも備えたログホームを自宅とは一線を画すコテージのような雰囲気にしました。
「室内の壁にはペンキや壁紙は一切使わず、すべてが木で温かみのある素敵な雰囲気を出しました。窓から見える自然が室内でも主役になり、季節によって雰囲気が変わるのです。」
ログホームでのウェルビーイング
タンヤはログホームでのリモートワークを楽しんでいます。周囲の自然は素晴らしく、静かな仕事環境となり、仕事の終わりには自然がすぐそばにあります。
「パソコンから時々サイマー湖に視線をうつすことで、仕事がはかどります」。
タンヤにとって、ログホームは呼吸をするのに最適な雰囲気で、夜は格別に安らかです。自分たちが使わないときには、貸コテージとしても提供しています。
「家を貸すことは環境にとって良いとも思っています。フィンランドにはほとんど空き家のようになっているコテージが膨大にありますし、誰もが自分の別荘を持ちたいわけでもありません。」
夫妻は古いコテージをひと夏貸し出し、その経験を存分に楽しみました。
「この場所を気に入ってくれた素敵な方がいました。お金の面でも生活が楽になります。」
いたるところに自然が溢れています。屋根付きのテラスは、近づいてくる嵐を眺めるのに格好の場所で、リビングルームの家具は季節に合わせて簡単に模様変えもできます。ログホームのおかげで家族が豊かになっているとタンヤは感じています。
「環境保護の観点からも旅行を減らしましたし、ログホームは一年中住むのに適しているので、海外で休暇を過ごす必要もありません。昔は冬がとても長く感じられたけど、今は島に行けば冬でも楽しめます。ここでは暖炉に炎をともし、冬でも美しい景色を眺めることができるのです。」
貸コテージのHP(フィンランド語と英語)