自然に抱かれた贅沢なヴィラ-ティモとマレの家
ティモ・アクラスは、ちょうどよい既存のモデルをみつけることができなかったため、自らホンカのための別荘モデルを設計しました。モダンな贅沢さを醸し出すホンカ「LUX (ルクス)」は、ウーシカウプンキ群島の自然と完璧に調和するログホームとなりました。「Lux」には様々なサプライズがあります。
ティモには理想の家のヴィジョンがあり、設計図もありましたが、土地がありませんでした。彼は海辺の土地のためにモデルを設計し、環境は設計に不可欠な要素だと考えていました。
ティモは家を建てるための土地を確保していましたが、どうもしっくりきませんでした。そんなときウーシカウプンキ沖合の島で、古い別荘が建てられた土地を偶然見つけました。ティモはその別荘にメモを残し、土地を買うことにしたのです。
「ちょうど探していた海辺の広い土地でした。フィンランドでは最近なかなか手に入らない2.6ヘクタールの土地と420メートルの海岸線。自然豊かで、方角も申し分ない。そしてなんといっても隣人がいないのが気に入りました。」
主にレストランやナイトクラブを設計してきたティモは、既存のモデルに適当なものがなかったため、自らモダンな別荘を設計しました。
設計のはじめから明確にしていたことは、別荘をログで建てるということでした。 もうひとつは、別荘の外壁の一面がガラスでできていることで、ログハウスメーカーにとっては難しいことでした。
「大きな窓のある家をログで建てるのならば、ホンカがベストだと思いました。」
自然と景観に基づいたデザイン
ティモはログ以外の建材は考えていませんでした。彼のログに対する情熱は、ログホームで生まれ、これまでも何軒かのログハウスで過ごしてきた子供時代から育まれてきました。
「ログハウスは居心地も室内の空気の質も良いんです。観葉植物の育ち具合をみればよくわかります。年を取れば取るほど、室内の空気の質が大切になってきます。」
ティモは自分のデザインを見せるためにホンカ・トゥルク・オフィスに行きました。ホンカ・トゥルクのクリステル・スンドストロムは、そのデザインがとても気に入り、ホンカ・ヘルシンキのスタッフにも見せたのです。ヘルシンキでティモのデザインは好評を得て、自分の別荘を建てながらホンカのための「Lux」モデルをデザインすることになりました。
寝室からは、周囲の自然を眺めることができます。
「大きな窓を使って自然を取り入れ、家全体をモダンでナチュラルな印象にするために自然の色を生かしたかったのです。」
白以外のすべて
LUXコレクションは贅沢さと高品質を醸し出しており、ティモは関連する3つのインテリアのデコレーション・スタイルもデザインしました。そのアイデアは、お客様にとってインテリアデザインをできるだけ簡単にすることでした。
自分の別荘をコーディネートするとき、ティモは実験的に新しいことを試してみました。
「私はほぼ年に一度、インテリアを変えるようにしていて、いつもキッチンから始めます。ここ数年スウェーデンでは流行っているけれど、フィンランドではまだあまり使われていないダークブラウンのオーク材を使ったキッチンにしました。」
家はダーク・カラーで塗装され、コンクリートの床と壁が全体にインダストリアル・スタイルの印象になります。ログの内壁を黒く塗りました。
「コンクリートと黒はお互いを引き立て合うと思っています。窓が大きいので、暗い色を使っても室内が暗くなる心配はありません。私はレストランを設計した経験があるので、照明には特別な注意を払っていて、ここでも特別な照明器具を使用しています。この家では、照明を使ってスペースごとに異なるムードを作り出すことができる夕方が一番雰囲気がよくなるのです。」
ティモは世界中のレストラン業界や見本市からインテリアデザインのインスピレーションやアイデアを得ています。
「海外の人たちはもっと冒険的なデコレーションをします。残念なことに、ここフィンランドでは、人々は白を使うことに慣れていて、他の選択をする勇気がないようです。フィンランド人には、いつも安全な選択肢をとるのではなく、新しいことに挑戦する勇気をもっと持ってほしいと思っています。」
ティモは海外旅行の時には多くのアンティークをお土産にします。特に中国の古いアンティーク家具が好きで、新しい別荘でも使っています。
「コンクリートやスラット木材といったモダンな要素とのコントラストがいいのです。インテリアデザイン全般に言えることですが、モダンで新しいスタイルに、古くて使い古されたものやリサイクルされたものを取り入れるのはいいアイデアだと思っています。」
自然と一体になったログホーム
2022年8月に完成したティモの新しい別荘は、Luxコレクションの最初のモデルとして発表されました。プロジェクトは、コロナの影響でスケジュールに多少の変更はありましたが、わずか1年で完成しました。
「適切な大工さんたちを見つけるのに時間がかかりました。遅れのほとんどは、良い業者を見つけることと、建材を手に入れることの問題が原因でした。」
ティモは完成した建物に満足しています。ヴィラ、サウナ、ガレージの3つの建物はすべて自然に溶け込み、素晴らしくユニークな家と周辺環境を作り出しています。
「10点満点で10点をつけることはめったにないのですが、このヴィラは9か9.5点をつけたいです。建築からインテリアデザイン、外構に至るまで、すべて自分で手掛けたということにも誇りを持っています。大きな窓とモダンな建築の一番の魅力は、自然を取り込めること。ベッドからは海や風に揺れる木々が見えます。室内にいても自然の一部となりえるのです。」