空間設計における周囲の自然への配慮
– ナーンタリの住宅フェア2022
ホンカ「ハイク」は、建築家マルコ・シムシオ、インテリアデザイナーのマル・ハウタラ、ランドスケープアーキテクト橋本朝子によるデザインコラボレーションによって生まれました。建築家のマルコ・シムシオが、建築と空間計画の観点から「ハイク」の特徴と、建物の空間計画や建築に周囲の自然を考慮することについて紹介します。
建築家マルコ・シムシオと「ハイク」探訪
人を核とした建築
KOAN Architectureの建築家マルコ・シムシオは、伝統や地域性を尊重しつつ、フィンランドの建築に新しい視点を取り入れています。これは、日本の様式を取り入れた北欧のモダンなログホーム、「ハイク」にも反映されています。
シムシオは、サステナブルな木造建築と近隣地域のデザインを専門とし、ホンカの多くのプロジェクトで設計を担当しています。シムシオは人を核とした設計を心がけ、戸建て住宅の設計は常に顧客のニーズを把握することから始めます。
「『ハイク』には、安心と安らぎを感じてもらうために、屋内にも屋外にも穏やかな空間が広がっています。家が安全で平和な場所であることは、現在の世界情勢で求められることです。」
この考え方は、シムシオが興味を持っている人道的な建築でも実践されています。
「私の夢は、建築家として人道的な仕事をし、例えば、危機的な地域や発展途上国の学校、病院、難民センターなどを設計することです。」
「『ハイク』は自然と密接な関係があり、周囲の環境によく溶け込んでいます。」
北欧建築に和のテイストをプラス
「ハイク」を設計するにあたり、シムシオは周囲の自然や素晴らしい松林の風景にインスピレーションを受けました。
「敷地内にある頑丈な岩を設計の前提に選びました。岩を中心にアトリウムを作り、その上に建物を建てるというデザインです。岩はアトリウムを保護し、ある意味、アトリウムのプライバシーを守る第四の壁として機能しています。」
また、日本の要素もデザインに影響を与えています。
「私は、常に日本の伝統的な建築に憧れてきました。この建物は頑丈なログハウスですが、日本の和を醸し出しています。」
日本建築では、屋外と屋内の境界線を曖昧にすることが重要です。「ハイク」では、大きな窓やガラスの引き戸などを使って、実現しました。
ミニマルな建物は、むしろ低い位置にあり、自然の中に溶け込んでいます。建物に選ばれた色もその一助となっています。長い庇は、壁面に沿って建物を取り囲む通路を縁取っています。
周囲の自然を考慮した空間計画・建築
シムシオは住宅を設計する際、敷地の特性を可能な限り考慮するよう心がけています。
「地形や方角、どこから日が出て沈むのか、最も素晴らしい眺望はどこから見られるのか、どの角度からプライバシーを保てるのかなど、さまざまな要素をまず考慮します。」
屋根の形は、建物が周囲に溶け込むかどうかに大きく影響します。これには色も大きな役割を果たします。
「色を選ぶ際には、建物に調和させるのか、目立たせるのかを考える必要があります。自然な色を選ぶと、建物が自然に溶け込みやすくなります。」
自然とのつながりを生み出すには、インテリアの色や素材も重要で、床から天井までの窓は自然を取り込むのに役立ちます。
間取りを考えるときは、どのスペースからの一番眺めがいいかを考え、ベッドルームは静かな側に配置するとよいでしょう。
重要な注意点は、できるだけ自然を残すように努力することです。
「もちろん、すべての建築プロジェクトでそれが可能なわけでも、望めるわけでもありませんが、お客様が望むことであれば、それは常に良い出発点であると私は考えています。」
<ハイクの記事>
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