Premium Resort Vierumäki
動画・テキスト・写真(一部) こばやし あやな フィンランド人の多くは、自宅とは別に、より自然に近い場所にサマーコテージを所有しています。日本人が想像する別荘よりはずっと簡素で、昔ながらの生活様式に基づく家屋が主流です。白夜のおかげで夜でも明るい夏場はほとんど電力も要らないし、生活用水もそばの湖沼から使えるので、電気や水道を引かないコテージも少なくありません。飲料水と食料を持ち込み、必要なら太陽光などで簡易自家発電を行なって、少し不自由ながらも悠々自適に自然回帰した生活を満喫します。 そんなコテージライフのお楽しみの一つが、サウナ時間。多くの場合、母屋とは切り離されて、より水際に近い場所にサウナ小屋を建てます。自宅で入るサウナは電気ストーブを使った手軽なスタイルが主流ですが、コテージサウナでは自分たちで薪を調達し、火を起こして、時間をかけて薪ストーブを温めます。より伝統的なスモークサウナを所有する人もいます。準備には電気サウナの何倍もの時間と労力が要りますが、火の力でじっくり熱したストーブから出るロウリュ(蒸気)は、驚くほどにやさしくまろやか。しかも静かな暗がりの室内では、薪の弾ける音や香りも楽しめます。そしてもちろん、サウナ室を一歩出れば周囲には穏やかな大自然が広がります。湖でひと泳ぎしたり木陰で外気浴したりするうちに、自分自身もこの自然のほんの一部であることを再確認できるような、満ち足りた気持ちと快感に包まれるのです。 サマーコテージは、家庭ができて新たに購入する家族もありますし、親世代から譲り受けて兄弟で共同利用している人もいます。いっぽう、維持費や手入れが大変だからという理由からマイ・コテージを持たない人たちのために、いわゆるレンタルコテージを運営する会社も年々増えています。長期的に借りることを前提にしたコテージが多いのですが、近年は観光客でも一泊から手軽に泊まれるような場所も増えてきました。 さらに現代では、フィンランド人にも「自然の中で不自由を楽しむ」というのとはまた違った楽しみ方をレンタルコテージに求める人が増加しています。水道や電気やwifiの通ったコテージ、夏に限らず冬でも使えるよう暖房装置の入ったコテージ、システムキッチンや寝心地の良いベッドのあるコテージ…。あくまでご飯の準備などは自分たちでやるけれど、できるだけ便利で快適な環境で、自然に親しいコテージ暮らしを楽しみたい、というわけです。とりわけコロナ禍でリモートワークが一般化して、ワーケーション拠点のニーズも高まったことから、昨今少し都会から離れた自然豊かなエリアにラグジュアリー・コテージが次々と建てられています。 前置きが長くなりましたが、フィンランド・ラハティ市郊外のヴィエルマキというエリアに建てられたプレミアム・リゾート( Premius Resorts)も、まさにこのコンセプトのもとでつくられた快適モダンコテージ集落です。首都ヘルシンキから電車で1時間北上した先にあるラハティは、シベリウス音楽祭の開催されるシベリウス・ホールや、スキージャンプを始めとするノルディックスキー競技のW杯開催地として有名な街。そこからさらにバスで30分ほど森や農村地帯を抜けていくと、ヴィエルマキに到着します。ヴィエルマキは、フィンランド最大級のスポーツセンターがあることで全国的にも知られる場所で、美しい林間地帯にさまざまな競技場やトレーニング施設、クロスカントリーコースやハイキングコースが張り巡らされています。ホテルやコテージもたくさんあり、夏休みはもちろん、冬のスキー休暇や年末年始にここでコテージを借り、クロスカントリーやネイチャー・レクリエーションに明け暮れる、首都圏のアクティブなフィンランド人に人気のエリアです。 プレミアム・リゾートには、宿泊者数に合わせて2人で泊まれるスイートから8名以上が寝泊まりできるだけのベッド数を備えた大規模コテージまで、さまざまなサイズのコテージがあります。ですがおそらく、その外観からインテリアまで、従来のコテージのイメージはいい意味で裏切られるはず。昔ながらのコテージはログ造りが基本で、その意味では、この優美なログ・コテージも伝統を踏襲していると言えます。ですが実際に間近で見ると、美しく製材されたログ材とともに現代の住宅建築の流行りでもあるガラス面が多用されていて、とても軽やかでモダンな印象。これらの施工は、フィンランド屈指の技術と経験を誇るログハウスメーカーのホンカ社が手掛けており、まさに現代的なデザインや技術が織り込まれたネオ・ログハウスなのです。 内部も、これはコテージと言うよりはりっぱな「住まい」。そう、短期の宿泊なんかではなく、我が家としてしばらくここで暮らしたくなる快適さなのです(笑)シンプルで使いやすいシステムキッチンには、家庭サイズの巨大冷蔵庫、イッタラなど国内ブランドの食器や調理器具が一通り備えられています。日差しがたっぷり入って明るく暖かなリビングルームには、快適なソファと巨大テレビ付き(ガラス窓は電動ブラインドを下ろせばプライバシーも守られるのでご心配なく)。ベッドルームは、木の良い香りが漂ってきそうなログ材に囲まれていて穏やかにくつろげます。もちろん屋内どこでもwifiが使えます。 そしてコテージ・ライフといえばのサウナは、一般家庭のように母屋内のシャワー室のそばに入り口があり、火起こしに自信や時間のない人が安心して使える電気ストーブ式。しかも壁に取り付けられたボタンひとつで遠隔操作が可能で、利用が終わったら自動で電源を切ってくれます。電気ストーブとは言え、広々としたサウナ内は昔ながらの趣にもこだわってあります。全面的に木材が貼られ、とくに背もたれの壁はやや暗めで重厚なムード。奥の小窓からの自然光で照度を保ちます。サウナストーブは半分床に埋もれるように施工してあって、水をかけると、足元からじゅっと蒸気が吹き出して、ちょうどわたしたちの上半身にもっとも心地よい熱さのロウリュを届けてくれます。長辺ベンチは大人でも寝そべることのできるゆったりサイズ。 自分のペースでロウリュ 水風呂はありませんが、火照った後の外気浴はテラスにあるリクライニングチェアとホットタブで!まだまだ雪が溶ける気配のない真冬や春先でも、サウナの合間なら雪へ寝そべるのも気持ちいいし、苦手な方はホットタブに浸かってぬくぬくしながら、森の木々を見上げるのもおすすめです。なにせ同じテラスでそのままグリルやご飯を楽しめる手軽さなので、サウナの合間に軽く乾杯して飲んだり、名物極太ソーセージや好みの食材を焼いてかじったり…といった、フィンランド人らしい「オールインワン」なサウナ浴の楽しみ方を追体験できます。 雪の中でもぬくぬく 昼間は日差しの心地よい室内でデスクワークを進めて、疲れを感じたらちょっと近所の森に散歩やクロスカントリーに出かけたり、ラハティ観光に繰り出して、夜はサウナとおうちごはんを一度に楽しむ…そんな公私の垣根を取っ払う新しい旅のスタイルも、こんなプレミアムなコテージ拠点なら簡単に実現できてしまいますよ!ぜひ、フィンランド人の伝統と現代のライフスタイルが融合したコテージライフを、次の旅のヒントにしてみてください。 携帯で開錠でき、チェックインもスムース!フィンランドでコテージ体験
プレミアム・リゾート・ヴィエルマキ